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「一般受給資格者」と「特定受給資格者」(自己都合退職・会社都合退職)

失業保険は、「自己都合退職と会社都合退職では、会社都合の方が得」という話を聞いたことがある方は多いと思います。
これは、退職の理由によって、受給できる期間などが違うからです。

正確には「一般受給資格者」と「特定受給資格者」に分けられます。

世間でよく言われる「自己都合退職」に当たるのが「一般受給資格者」です。
ただし、自分から退職を言い出したから自己都合退職になる、というわけではありません。「正当な理由なき自己都合退職者」と表現したほうがニュアンスは合っていると思います。

特定受給資格者とは、世間でよく言われる「会社都合の退職者」のことです。
「解雇された人」や「会社の都合で退職しなければならなかった人」はもちろん、「会社を辞めなければならない理由があった人」や、「会社を辞めても仕方無かった」と言えるような理由があった人も特定受給資格者になります。

特定受給資格者になる要件

特定受給資格者のほうが多くの失業保険がもらえます。特定受給資格者になれるかどうかという要件は、「被保険者期間」の長さによって2通りに分かれてきます。

  1. 被保険者期間が1年以上の人
  2. 被保険者期間が6ヶ月以上〜1年未満の人

被保険者期間が1年以上の人が特定受給資格者になる要件には、13のパターンが存在します。
会社から解雇された場合のほかに、契約社員の契約が更新されないケースが2パターン、自分から退職を言い出した場合でも10パターンあります。

解雇された場合

解雇された場合は特定受給資格者になります。
ただし、労働者の重大な責任での懲戒解雇の場合は、特定受給資格者にはならないので注意が必要です。

労働契約の内容と実際の労働現場が違う場合

面接などの際に明示された労働条件と実際の労働条件が著しく異なる場合、これを理由に退職した人は、自己都合退職でも特定受給資格者になります。

賃金の未払い

給料が会社から支払われないことを理由に退職する場合も、自己都合退職した場合でも特定受給資格者になります。
具体的には、給料の3分の1を超える金額が2 ヶ月以上連続で給料の支払日に支払われなかった場合のことを言います。

賃下げが行われた場合

給料が今までの「85%未満」に低下したことを理由に退職した場合には、特定受給資格者になります。

賃下げ予告が行われた場合

実際にはまだ賃金が下がっていなくても、「85%未満に下げる」という予告をされた場合も予告を受けた後にそれを理由に退職する場合は特定受給資格者になります。

3ヶ月連続で45時間を超える残業が行われた場合

3ヶ月連続で45時間を超える残業があった場合には、それだけで特定受給資格者になります。

行政機関から残業時間が多いという指導を会社が受けたにもかかわらず、改善されない場合

行政機関から「残業により従業員の健康被害や労災などが発生する危険がある」ということを指導があったにもかかわらず、会社が何も改善策を講じなかった場合は特定受給資格者になります。

職種の変更が行われたのに、仕事を続けるための配慮を行わなかった場合

今まで事務員として働いていたのにいきなり営業に転属されたというような場合です。
ただし、職種を変更されただけではなく、職種変更後に会社が「その人が仕事を続けていけるための配慮を行わなかった」という要件が必要になってきます。

セクハラ・パワハラ・イジメ・嫌がらせ行為など

セクハラ・パワハラ・イジメ・嫌がらせ行為を受けたことによって退職した人は、相手が上司・同僚・後輩・部下など誰から受けたかは関係なく特定受給資格者になります。

退職勧奨による退職

退職勧奨とは、いわゆる「肩たたき」のことです。
つまり、会社から辞めてくれないか?という要請を受けて退職した人のことです。この場合も特定受給資格者になります。

休業状態が3 ヶ月以上になった場合

会社の都合による休業が3 ヶ月以上になった場合は特定受給資格者になります。
怪我などで3ヶ月間以上休業した場合はこの要件には該当しません。

3年以上勤務した契約社員の契約更新の拒否

契約社員として3年以上働いている人が、会社が契約を更新しなかったために離職する場合は特定受給資格者になります。

契約更新の拒否(1年未満の契約の場合)

1年未満の契約で働いていた場合で、契約を締結した際には「契約を更新する」と明示されていたのに契約が更新されなかった場合です。この場合も特定受給資格者になります。

 

被保険者期間が6ヶ月以上の1年未満の人が特定受給資格者になる要件

「被保険者期間が6ヶ月以上の1年未満の人」については特例措置が設けられています。
「被保険者期間が1年以上の人」で紹介した13のパターンに加え、さらに8つのパターンのいずれかに該当すれば特定受給資格者になれます。 これは、「被保険者期間が6ヶ月以上の1年未満の人」だけの特例措置です。

体力の限界や病気を理由に退職

体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等によって退職した場合。

妊娠、出産、育児を理由に退職

妊娠、出産、育児を理由に退職する場合には、失業保険の受給期間を延長することができるのですが、その受給期間の延長をしなければ、特定受給資格者にはなれないので注意が必要です。

父母が死亡し、残ったどちらかを扶養する場合

父もしくは母」亡くなった方で、「残ったどちらかの方を扶養する必要がある場合」になります。

親族の病気や怪我を理由に退職する場合

親族が病気や怪我をし、「常時あなたの介護を必要とする場合」に限られています。

単身赴任の継続が困難になった場合

単身赴任をしている状態で何らかの事情が発生し、配偶者又は扶養すべき親族と別居生活を続けることが困難になった場合です。

通勤が不可能・困難となった場合

これには、概ね7 つのパターンがあります。
以下の理由により「通勤することが出来なくなった場合」や「難しくなった場合」には、特定受給資格者になります。
(ア) 結婚による住所変更
(イ) 子供を保育所などに預けることになった。または親族等へ子供を見てもらう必要が生じた
(ウ) 勤務していた事業所が通勤困難な場所へ移転した
(エ) 自身の事情によらないで、住所または住居を移転する必要が生じた
(オ) 通勤に使用していた電車やバス等が廃止された。または運行時間が変更された
(カ) 転勤や出向によって別居しなければならなくなったが、別居はしたくないので退職した
(キ) 配偶者が会社からの転勤・出向により、又は再就職のために別居する必要性が生じたが、別居は嫌なのでこれについて行くことになったため退職した

希望退職者の募集に応じて退職する場合

希望退職者の募集に応募して会社を退職する場合です。
ただし、普段から常設されている早期退職優遇制度に応募した場合には、この要件には該当しません。

 

これらの要件を満たし、特定受給資格者となれば、受給期間が長くなります。
受給期間給付金額(基本手当日額)をかけたものが受給できる失業保険の最高金額になります。

 

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